画像生成グラボの最適PowerLimit値を探るため、AfterBurner等でGPUにパワーリミットを設定するとどの程度画像生成にかかる時間が低下するのかを、アスカベンチスコアで比較します。各3回ずつTime taken秒数を計測し、PL30%から100%までの推移をグラフにまとめました。
追記:104%時も計測しました。
我が家の出力フォルダが250枚以上のアスカに侵食されている。。。
0,忙しい人用の結論
電力制限を行うなら70%が最適な設定値となります。
生成枚数あたりの電力消費量や、生成速度の低下具合を加味してこの結論に至りました。
結論に至るまでの具体的な計測値やグラフ等は全て下に記載しております。
1,計測条件
簡単にいえば、パラメータなどを同一に設定して行う画像生成速度のベンチマークテストです。
512×512サイズの画像を10枚(batch count10,batch size1)生成する際に掛かった時間(Time taken値)を比較するものです。
ここでは各電力制限値ごとに3回計測してその平均値を比べました。
なおxformersは有効です。
ここ↑の「Power Limit」値を変更しました
2,結果(表とグラフ)
表(使用データ)
電力(%) | 1回目(s) | 2回目(s) | 3回目(s) | 平均値(s) | 100%時を1とした場合 |
104 | 19.07 | 19.04 | 18.24 | 18.78 | 0.996 |
100 | 19.15 | 18.44 | 19.00 | 18.86 | 1.000 |
90 | 19.05 | 18.95 | 18.84 | 18.95 | 1.004 |
80 | 19.67 | 19.61 | 19.56 | 19.61 | 1.040 |
70 | 20.81 | 20.76 | 20.70 | 20.76 | 1.100 |
60 | 23.89 | 24.20 | 24.23 | 24.11 | 1.278 |
50 | 32.56 | 32.56 | 32.48 | 32.53 | 1.725 |
40 | 65.38 | 66.70 | 66.09 | 66.06 | 3.502 |
30 | 112.73 | 111.90 | 112.02 | 112.22 | 5.949 |
30%だけ有効数字が違いますがご容赦願います。
これをグラフ化してみると、このように。
グラフ化(平均Time taken値比較)
60%を下回ると急激にスコアが悪化しているのが見て取れますね。
特に30%は目も当てられない。
逆に104%にドーピングしてもスコアが殆ど向上しないこともわかります。
グラフ化(100%時の何倍時間がかかるか)
秒数だと比較がしにくいので、デフォルトの100%時の何倍の時間がかかっているかをグラフにしました。
なんとなく中学生のころの反比例を思い出させますね。
電力効率を簡易的に比較
PL値(%)x平均Time taken値(s)で算出される数値を比較します。
この値は、10枚生成にどれだけ電力消費をしたかを比べるので小さい方が優秀です。
なおこの値の単位や具体的な数値の大きさは特に意味をもたないので、あくまで大小だけを見ます。
PL値と実際の消費電力にはある程度誤差もあるので参考程度にしてください。
60~70%あたりが最も電力効率が良さそうです。
オーバークロック扱いの104%以上に、3,40%の電力効率のほうが遥かに最悪なのは意外ですね。
3,結論 画像生成におすすめのPowerLimit値は何%?
まず、実用上の観点から、50%未満は時間がかかりすぎるのでおすすめできません。
また電力制限ごとの速度低下具合は次のようになります。
- 104%:0.4%速度向上
- 90%:0.4%速度低下
- 80%:4%速度低下
- 70%:10%速度低下
- 60%:28%速度低下
低下具合が小さく電力削減もできる7、80%あたりが優秀ですね。
また、電力効率も簡易的に比較すると、6,70%あたりが最良のようです。
したがって結論は、電力制限を行うなら70%が最適な設定値となります。
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