とあるシリーズの全編で、わずか一度SS2巻13章に名前だけしか登場していない「新たな伏線」である「00000号(フルチューニング)」。そのわずかな情報をもとに新約/創約禁書目録の最新巻までの内容を踏まえて掘り下げ、00000号は現在どこで何をしているか、について考察していきます。
めっちゃ長い記事になってしまったので、結論だけまず以下にしめしておきますね。
【結論】 00000号の現在の所在地は以下のいずれかである
00000号の現在の所在地は以下のいずれかだと考察できました。
- 00000号は科学サイドも魔術サイドも気にかけない小国で暮らしている
- 00000号は魔術サイドに貴重な超能力者のサンプルとして匿われている
- 00000号は魔術大国で一般人のふりをして暮らしている
それでは以下、なぜその結論に至ったのかを記述してまいります。
【00000号に関する作中で明かされた情報(禁書SS2巻第13章参照)】
「とある魔術の禁書目録SS(2)」第13章より、以下のことがわかりました。
- 00000号はミサカネットワークから寸断されている
- ミサカ19090号(=ミサカネットワーク所属個体)は00000号の存在を知っている
- ミサカ19090号(=ミサカネットワーク所属個体)は00000号が現在どこで何をしているか知らない
- 00000号は天井亜雄によって製造された
以上の4点になります。
【考察:情報1(00000号は現在ミサカネットに属していない)に関して】
- 00000号はミサカネットから寸断されている
ミサカネットワークの構成
- 1~10031号→死亡した下位個体。ネットワークの構成要素の一部に彼女らの記憶が含まれる
- 10032~20000号→存命の下位個体。脳波ネットワークを構築
- 20001号(打ち止め(最終信号))→ネットワーク管理者。所属する個体に対する絶対的な命令権をもつ
- 番外個体→唯一の第三次製造計画個体。ネットワーク内の悪意を優先的に抽出。20001号の命令を唯一拒める
- 総体の意思→ネットワークそのものに宿っている意思。ミサカクローンの高次の意思ともとらえられる
- 0号(ドリー姉妹)→脳波ネットワーク構築の試作実験体。ミサカネットワークとは繋がっていないはずだが、僅かに情報を送信している模様(超電磁砲アニメ3期最終話参照)
- 00000号→???
以上を踏まえると、ミサカネットワークから寸断(=完全に切り離されている)00000号は、脳波ネットワーク構築の試作実験体として製造された0号姉妹とも、ネットワークを構築/運用するために作られた1~20001号とも、対一方通行用兼第三次製造計画の実験体として製造された番外個体とも製造意図の異なるものであることが分かる。
これまで登場したすべてのミサカクローンは、何らかの形で(程度に大きな差はありますが)常にミサカネットワークと繋がっているだけに、ネットワークから寸断された00000号の特異性が際立っている。
寸断された、ということは何かネットワーク経由で共有されては不都合な事情を00000号が抱えていることを示唆している。それが何かは後述するとして
まず、ネットワークからどのように離脱したのかを考える。
ミサカネットワークから逃れるには
1,総体の意思の許可

- 総体の意思が許可する(新約禁書22巻のクリファパズル545との会話参照)→ミサカネットワークに参加する際に総体の意思の判断があったため、離脱の際も同様ではないか
→反論:総体の意思の初登場は新約禁書6巻。00000号に言及した禁書SS2巻発売の5年後で間には14冊もあり、00000号離脱が総体の意思の許可であるとするのは突飛な印象を受ける。
2,打ち止めの指令

- 上位個体である打ち止めの指令→ミサカネットワークを管理する立場のため00000号を切り離すことは可能と考えられる
→反論:打ち止めがネットワークから誰かをパージした描写はない。
ただし一方通行に助け出される前の培養器に入っていた状態の時期に、外部から00000号のパージを強制されていたと考えれば不自然ではない。
3,番外個体同様の離脱方法を取った?

- 00000号が自力でミサカネットワークから離脱した→ミサカネットワークは、最大でも強能力者(レベル3)で構成されるネットワークであるため、それ以上の力のある電撃使いなら強引に離脱することは可能だろう。
→ここで、番外個体は、打ち止めの上位命令を拒否できるようにするためにシートやセレクターといったネットワークからの干渉を弾く装置を体内に取り付けられている。
→番外個体は大能力者(レベル4)だが、ネットワーク経由の命令から逃れるためには装置が必要
→レベル4の能力ではミサカネットワーク離脱はできない。
→00000号が自力でミサカネットワークからの離脱したとすれば、大能力(レベル4)を超える超能力者(レベル5)相当の力を持っていることになるだろう。
【考察:情報2(ミサカは00000号の存在を知っている)について】
- ミサカネットワーク所属個体は00000号の存在を知っている
- 打ち止めが培養器に入っていた状態の時期に、外部から00000号のパージを強制されていた場合、現在自由に活動できる彼女は性格的に00000号をミサカネットワークに再接続させようと行動するだろうが、その描写はない
- 打ち止めが00000号をパージした記憶自体を忘却させられている可能性もあるが、ミサカネットワークへはウイルスなどの追加の情報が加えられたことはあっても、個々の記憶ではなく共有された記憶が学習装置などにより外部から書き換えられた描写はなく、その可能性は極めて低い
- また仮に、打ち止めが心理掌握などの精神操作によって00000号のパージを忘れても、ミサカネットワーク上に記憶のバックアップをしているためそのことを忘れ続けることはない
- さらに、何らかの不具合等を理由に一時的措置として打ち止めの判断のもと00000号のパージを行ったとすれば、00000号の近況を把握しているはずでありミサカ19090号の発言と矛盾する
→ゆえに、00000号の寸断は打ち止めによるものではない。
- 少なくとも創約禁書6巻までの範囲で、妹達が総体の意思について言及している描写はない→妹達は自分たちの上位に位置する精神体を知覚できないのではないか
→逆説的に、00000号はミサカクローン全体に横たわる上位の存在ではない。
【考察:情報3(ミサカは00000号の近況を知らない)について】
- ミサカネットワーク所属個体は00000号が現在どこで何をしているか知らない
- ミサカ19090号『00000号今どこで、何をやっているんでしょうね』(禁書SS2巻より引用)
→00000号は肉体をもつ=総体の意思のような精神体ではない。
- 逆説的に昔はどこで何をしているかわかっていた
→ミサカネットワークと最初から接続されていなかったのではなく、あくまで「寸断」=ある時点で切断された。
→ネットワークから強引に離脱すると、00000号自身が超能力(レベル5)相当の能力者であることを明かすことになるため、得策ではない(レベル5なら自身が低能力であるかのように偽装した情報をネットワークに流しながらミサカネットワークに所属し続けることも可能だろう)
→また、ミサカネットワークに00000号が所属していなくとも、街中にいる妹達の目に引っかかれば00000号の近況くらいわかりそう。
→何をしているか分からなくなったのは、「寸断」したときであり妹達の目の届かない場所に00000号が身を移したからであり、その理由は、それまで秘匿していた、自身がレベル5であることを明かすことに勝るものだと考えられる。
→木原唯一をはじめとする学園都市暗部の住人なども00000号についての言及はしていないため、暗部に潜んでいるわけではなさそう
- SS2巻13章=8月第4金曜日には、既に00000号は「寸断」している→第四金曜日とは毎月22日から28日の金曜をさす
→八月三十一日に天井亜雄は銃撃されたことと、00000号の「寸断」は無関係だろう
【考察:情報4(00000号は天井亜雄が製造した)について】
- 00000号は天井亜雄によって製造された
天井亜雄あまいあおとは

- 妹達の人格データ製作者
- 元々は量産型能力者計画の責任者
- のちに絶対能力進化計画に携わる(←失敗)
- 芳川桔梗に腹部を撃たれ、以降生死は不明
00000号の製造時期ははっきりしないが、少なくともナンバリングから2万体のシスターズよりも前に製造されたものと考えられる。

しかし、実験体としては、すでに0号(ドリー姉妹)が脳波ネットワーク構築と投薬実験という2つの目的で作られている。
そのため00000号は量産型能力者計画のもう一つの要=人為的に高位能力者を製造、の実験体として作られたのではないだろうか。また、同時期に作成されていて、打ち止めのように力を制限する必要はないので、容姿年齢はドリー程度~番外個体程度のはずである。
つまりこのようになる。
量産型能力者計画3つの目的
- 脳波ネットワーク構築→実験体に0号(ドリー姉妹)使用
- 短期間にクローンを量産→伴う薬品多用の影響→実験体に0号(ドリー姉)使用
- 高位能力者を人工的に作る→実験体に00000号使用?!
ここで、投薬により死亡したドリー姉と同等の体と記憶をもつドリー妹は小型の超電磁砲を使用できる。つまり、鉄釘を発射する番外個体と同等以上の能力(=レベル4相当)を持っていることになる。
→ネットワーク構築や投薬実験用のクローンであっても、プロトタイプならレベル4相当の能力を使える
→人工的に高位能力者を製造する目的でつくられた00000号は、ドリー以上の能力(=限りなくレベル5に近いレベル4またはレベル5)を使えるのではないだろうか。
→00000号が「フルチューニング(=完璧/完全に調整された)」と呼ばれていることもこの説を裏付けている。
【考察した情報まとめ】
00000号の実態
- 御坂美琴のクローンである
- 肉体をもつ(精神体ではない)
- 姿形はドリー姉妹に似ているか、番外個体程度に成長している
- 電撃使い
- 超能力(レベル5)相当の能力者
- 8月28日以前にミサカネットワークから離脱している
- 天井亜雄が銃撃された(8/31)こととは無関係である
- 協力者はいない
00000号がミサカネットワークから寸断された動機/手法
- 00000号自身の力で強引にミサカネットワークから離脱した
- 人為的にレベル5相当の能力者が生まれたことを秘匿するためではない
- 天井亜雄は離脱/逃亡の理由ではない
- 何らかの目的で学園都市から身を隠すため
※身を隠す目的に関しての根拠となる描写は発見できず、目的を確定することは考察ではなく妄言になるのでここには記せません…。
00000号は現在どこにいるか
- 学園都市/世界中の協力機関にいるミサカに見つけられない場所
- 暗部ではない場所
→学園都市に非協力的な場所=場合によっては魔術大国にいる
※何をしているかについてはは、ひとつに確定させることができませんでした。他禁書目録やその外伝などの記述内容から、それを確定させるだけの根拠となる描写は見つけられませんでした…。申し訳ございません。
要約(仮説)
- 00000号は何らかの目的でひとり学園都市から逃亡し、学園都市に非協力的な国(魔術大国とか)に身を隠している。
- 00000号は人為的に製造された唯一の超能力者であり、容貌はドリー~番外個体程度である。
【結論】
以下のいずれかの可能性が高い。
- 00000号は科学サイドも魔術サイドも気にかけない小国で暮らしている
- 00000号は魔術サイドに貴重な超能力者のサンプルとして匿われている
- 00000号は魔術大国で一般人のふりをして暮らしている
これが長々と書き連ねた考察すべてに矛盾していない、彼女の現在の様子の推定候補です。
この3つからは絞り切れず申し訳ありません…。新たな情報が出次第、追記してまいります。
長い考察を読んでくれてありがとうございました!
他にも色々考察してます、ごらん下さい。